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対ゴキゲン中飛車 鳥刺し戦法

・鳥刺し戦法とは

振り飛車対策は将棋には沢山あります。
それだけ振り飛車が沢山指されている証拠でしょう。
その数ある振り飛車対策の中に『鳥刺し戦法』(参考図)という物があります。

torizasi1.jpg
対四間飛車対策の戦法として使われ、内藤國雄九段大山康晴十五世名人に対する秘策として用いたという事で知られています。

・実戦譜
1972年 王位戦 内藤 対 大山
1972年 順位戦 内藤 対 大山




既に江戸時代から存在し、元は香落ちの下手の戦法でした。
誕生したと言われる江戸時代の棋譜も掲載しておきます。

天野宗歩 棋譜集 第48局 天保7年(1836)7月25日「鳥刺し戦法誕生の一局」
下手の四ノ宮金吾が最初に指したと言われています。




鳥刺し戦法の大きな特徴は、先手の陣形を見ての通り▲7六歩を突いていないことです。
そのため振り飛車の常套手段である角交換を挑む△4五歩といった手が全く怖くないのです。
そして▲7九角と引き角に構え、その威力で3筋~2筋を突破します。

鳥刺し戦法がどういった物かを知ってもらうために、いくつか参考になるサイトを掲載しておきます。



・参考サイト
将棋チェスネット:千鳥銀の戦法図鑑鳥刺し戦法
将棋の戦法についてかなり網羅されているサイトで、初心者から上級者まで参考になるサイトです。

非定跡党鳥刺し戦法
マイナーな戦法といえばおなじみの非定跡党。
実戦譜もあり、今回紹介する対ゴキゲン中飛車の鳥刺しの実戦例もあります。

上記のサイトを見てわかる通り、引き角からの攻めが非常に強力です。
しかし昨今は角道を止めた振り飛車が少なく、鳥刺しが現れる機会は少ない。
そう思われているかもしれませんが、実はこの鳥刺しがある戦法に対して有効なのです。
それがゴキゲン中飛車に対する鳥刺し戦法です。



・対ゴキゲン中飛車鳥刺し戦法
さっそく下の図を見てもらいましょう。
tori te-mazu
後手が△6四銀~△3一角と引いた局面。
後手は引き角に構え次の△7五歩を狙います。
後手陣が3四歩と突いていない事で簡単に引き角で7筋を狙うことができます。

もしここで先手が何もしないとどうなるか一例を示します。

上図からの指し手
△7五歩 ▲同歩 △同銀 ▲同銀 △同角(参考図)

torizasi2.jpg
先手が何もしないと△7五歩から銀交換に出て参考図となります。
こうなると次に△8六歩があり、先手も容易ではありません。
仮に参考図で先手が▲5五歩と仕掛けてきても。

参考図からの指し手
▲5五歩 △8六歩 ▲同歩 △7六歩 ▲5九角 △5五歩 ▲同飛 △8六角(参考2図)

torizasisannkou2.jpg
▲5五歩の反発には△8六歩と突き捨て、△7六歩と角頭に歩を叩いておきます。
こうして先手の角筋をずらしておく事で先手からの▲5五角の筋を消しています。
そして▲5九角に先手はあわてず△5五歩と手を戻すのが重要。
ここで△5五歩をいれずに△8六角では▲8八飛(失敗図)で困ります。

sippaizu88h.jpg
図で△8五歩は▲5四歩と取り込まれ後手困ってしまいます。
よって△5五歩 ▲同飛の交換を入れて△8六角と出て参考2図となります。

torizasisannkou2.jpg
参考2図で▲同角 △同飛となれば後手の飛車先突破が成功するので先手も難しい所です。
先手が参考2図で何もしなければ△5九角成から△8九飛成の筋があります。
他に参考2図で▲7九金と寄って受けても、△5九角成~△4四角で飛車香取りがかかって先手困ります。
よってこの局面、中飛車側はなかなか厄介なのです。
後手の中央も意外に金銀のバランスが良く隙がありません。

△3一角と引いて△7五歩を狙う。
これが鳥刺しの狙い筋ですが、この狙い筋がハッキリとしていて威力もあるので居飛車を指していて気持ちが良いでしょう。

ではこの対ゴキゲン中飛車の鳥刺しの組み方を解説します。
序盤にいくつかポイントがあり、数点だけ押さえておけば問題ありません。
今日からあなたも鳥刺し使いです。



・鳥刺し戦法の組み方
では鳥刺し戦法の駒組みを解説します。
居飛車は今回後手番です。
勿論先手番でも応用が利くのでご安心ください。

初手からの指し手
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △5四歩(第1図)
torizasi1zu.jpg
後手の第一のポイントは当然ですが△3四歩を突かずに駒組みを進める事です。
なので初手は△8四歩と突きます。
先手は▲5六歩と中飛車模様に構えます。
居飛車側は△8五歩 ▲7七角と形を決めさせ△5四歩(第1図)と突くのが細かいポイントの一つです。

鳥刺しと決め付けて△4二銀と上がると▲2六歩(変化1図)と突かれて困ります。
torizasihenka1z.jpg
変化1図は△3四歩と突けず後手失敗です。
△5四歩と突いた第1図でもし先手が▲2六歩(変化2図)と居飛車に戻してきても。
henka226ftoriza.jpg
変化2図から △3四歩 ▲8八銀 △6二銀 ▲2五歩(参考図)と進み、相居飛車の一局の将棋となります。
先手が振り飛車でない場合は、△3四歩と角道を開けて通常形に戻します。

sankouzu25ftor.jpg
これは普通の一局の将棋です。
では戻って第1図。

torizasi1zu.jpg
第1図からの指し手
▲6八銀 △6二銀 ▲5八飛 △4二銀(第2図)

dai2zu42gintoriz.jpg

先手は▲6八銀~▲5八飛と中飛車に構えます。
ここで後手の組み方に1つポイントがあります。
それは△6二銀の前に△4二銀を上がるかどうかです。

第1図以下 ▲6八銀 △4二銀 ▲5八飛 △5三銀(変化3図)と銀を上がる手を間に合わせる狙いです。
henkazu53gintoriz.jpg
あわよくば、後手は△6四銀と上がり5筋を受けようという狙いです。
鳥刺しを指す人はこういった手順を踏む事があります。
変化3図以下▲5五歩には△同歩 ▲同飛 △4二玉として、△6二銀上がりを保留して駒組みを進めるといった味があります。
しかし上でも説明した通り、△4二銀には▲2六歩(失敗図)と居飛車にされた時に困ります。
sippaizu26ftorig.jpg
△3四歩と突けないので後手困っています。
よって後手は△6二銀と上がって、先手が飛車を振るのを見てから△4二銀と上がります。
戻って第2図。

dai2zu42gintoriz.jpg
他に第2図で気になる手は、先手からの▲5五歩です。
ですがそれには十分対抗策があります。

第2図からの指し手
▲5五歩 △同歩 ▲同飛 △5三銀左 ▲5四歩 △6四銀(変化4図)
henka4zu64g toriz
▲5五歩から5筋を交換しての▲5四歩は△6四銀(上図)で受かっています。
変化4図以下先手は▲5八飛と引く一手なのですが、△4二玉(参考図)と上がり5三の地点を厚くして何と先手困っているのです。
sankouzu42gyokutori.jpg
何故なら次に後手の△6五銀と7六の歩を狙う手が受け辛いのです。
変化4図から▲5七銀はこれも△6五銀で▲7六歩と▲5四歩取りが受かりません。
△6四銀と後手が出るとこの△6五銀の筋が付きまといます。

というわけで途中の▲5四歩を入れたのが悪かったのですが、その手を入れずに駒組みを進めるとどうなるのでしょう。
では戻って△5三銀左と上がった局面。
totyuuzu53gnhidari.jpg
ここで先手が普通に駒組みを進めるとどうなるのでしょうか?

途中図からの指し手
▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉 △6四銀 ▲5九飛 △3二玉 ▲6六歩 △7四歩 ▲6七銀(変化5図)
henka5zu74ftori.jpg
後手は△6四銀~△3二玉と駒組みを進め△7四歩(変化5図)と突きます。
後手の△3二玉の所は、△6五銀と出る変化もかなり有力で十分成立する手でしょう。
△3二玉と寄った後、先手は△6五銀の筋を消すために▲6六歩と突きます。
その角道が止まった瞬間を狙って△7四歩と突き角頭を狙います。

今回は駒組みの一例を示しました。
以下は△3一角~△7五歩を狙い一局の将棋でしょう。
5筋を交換されても後手はこういった流れで鳥刺しを狙えるので安心して使ってください。

こういった事を踏まえて第2図に戻ります。

dai2zu42gintoriz.jpg
第2図からの指し手
▲5七銀 △5三銀左 ▲6六銀 △4二玉(第3図)

dai3zu42gyokutori.jpg
先手は▲5七銀~▲6六銀と中央に銀を繰り出します。
いつでも▲5五歩と仕掛ける準備を整えるためです。
先手の▲6六銀に後手も付き合って△6四銀と上がるのは、▲5五歩 △同歩 ▲同銀(変化6図)と銀交換に出られて不満です。
55gintorizasi.jpg
変化6図で後手△6五銀と出る手は▲6六銀が王手銀取りの痛打で大失敗となります。
よって▲6六銀には一旦△4二玉(第3図)と上がっておきます。

dai3zu42gyokutori.jpg
第3図で気になる手は▲5五歩です。
後手の鳥刺しを発動する前に押さえようという手です。
この手が恐らく後手の鳥刺しを封じる最後のタイミングです。

第3図からの指し手
▲5五歩 △同歩 ▲同銀 △5四歩(途中図)
totyuuzu54ftoriz.jpg
▲5五歩には△同歩と取り▲同銀に△5四歩(途中図)と受けるよりありません。
これを▲5四同銀だと△同銀 ▲同飛 △6五銀(参考図)と返されて先手困ります。
sankou65gintoriz.jpg
参考図以下▲5八飛は△7六銀から△6七銀成を狙われて先手不利。
他に▲5七飛も△7六銀 ▲6八角(▲5五角は△8六歩で飛車先突破)に△3四歩で先手不利。
よって先手は途中図から▲6六銀と引く一手ですが、途中図以下△6四歩 ▲4八玉 △6三銀(変化7図)が一例となります。
henka7z63gintoriz.jpg
後手は中央の厚みで勝負する展開となります。
序盤早々に△4二銀から鳥刺しを狙うとこういった変化も生じます。
この変化が嫌なら、今回の最後に紹介する指し方で通常型から鳥刺しを狙うのが良いでしょう。

dai3zu42gyokutori.jpg
戻って第3図。
ここで▲5五歩を見送ると後手は鳥刺しに組めます。
大抵の人はここでは仕掛けず一旦玉を囲うでしょう。

第3図以下の指し手
▲4八玉 △6四銀 ▲3八玉 △3二玉 ▲2八玉 △7四歩 ▲3八銀 △3一角(テーマ図)
tori te-mazu
先手は▲4八玉から玉を囲います。
後手は△4二玉と上がってからすかさず△6四銀と上がり、5筋を押さえます。
この一手が大事で先手の▲5五歩の仕掛けを防ぐことができました。

もし△6四銀に先手が▲5五歩と仕掛けるとどうなるでしょう。

dai3zu42gyokutori.jpg
第3図以下の指し手
▲4八玉 △6四銀 ▲5五歩 △同歩 ▲同銀 △6五銀(変化8図)
henka8zu65gintori.jpg
△6四銀に対して▲5五歩と仕掛けると△同歩 ▲同銀の時に△6五銀と返す技があるのです。
先ほどは後手が居玉だったために▲6六銀と引く手がありましたが、今回は△7六銀と歩を取られて先手失敗に終わります。
次に△7六銀と歩を取る手が大きく、先手としても容易に▲5五歩と仕掛ける事ができないのです。
この対ゴキゲン中飛車の鳥刺しではこの筋は頻出するので絶対に覚えておきましょう。

先手からの▲5五歩は△4二玉~△6四銀が入ってしまうと成立しなくなります。
なので先手は玉を囲うぐらいですが、後手は△3二玉~△7四歩~△3一角(テーマ図)と引いて、最初に紹介した局面になりました。
tori te-mazu
これで後手鳥刺しの陣形の完成です。

次の△7五歩が前半で解説した通り、強烈な狙いで先手容易ではありません。
▲5五歩と仕掛けるのは△同歩 ▲同銀 △6五銀で先ほど書いたカウンターが炸裂。

ではテーマ図で▲7八金と左辺に備えるのは、
△7五歩 ▲同歩 △同銀 ▲同銀 △同角(変化9図)となります。
hekna9zudoukakutori.jpg
次に△6九銀の割り銀の筋があるので先手は変化9図から▲5九飛と引きますが、△4八銀と攻める手があり先手不満です。
他に変化9図で▲7六歩 △6四角と追い払い▲5九飛と引いても△8六歩を狙われ後手も食いつけます。
一例として手順を示しますと、

変化9図からの指し手
▲7六歩 △6四角 ▲5九飛 △8六歩 ▲同歩 △同角 ▲同角 △同飛 ▲8七歩 △7六飛(変化10図)
henka1076hitorizasi.jpg
後手は8筋で角交換から△7六飛と横歩を取ります。
先手は変化10図から▲7七桂と受けるぐらいですが、△7三桂~△8五桂を狙って相当です。

戻ってテーマ図。
tori te-mazu
最後にテーマ図で▲7八飛と受けるのは、
△7三桂(変化11図)と跳ねて、機を見て△6五銀を狙います。
henka1174katuragori.jpg
変化11図で▲5八金左のような手なら一旦△5二金右(後に6筋を攻められる手を緩和する)と締まっておき次に△6五銀を狙ってどうでしょうか。
手順を示しますと

変化11図からの指し手
▲5八金左 △5二金右 ▲4六歩 △6五銀 ▲同銀 △同桂 ▲6八角 △8六歩 ▲同歩 △8七銀(変化12図)のような展開が一例です。
henka1287ginmadetori.jpg
変化12図以下▲7九飛 △8八銀成 ▲5九飛 △7八成銀で後手有利です。
これは一例ですがこういった展開が考えられます。

対ゴキゲン中飛車に対する鳥刺し戦法ですが、その威力は確かなもので面白い有力策の一つになるでしょう。
では最後に一局だけある中飛車に対する鳥刺しの実戦例を紹介します。
今回は△6二銀~△4二銀と少し変わった序盤から鳥刺しを展開しましたが、通常型からもこの鳥刺しが出現する事を紹介します。



・プロでの鳥刺し
プロで指された鳥刺し戦法を紹介します。
同時に中飛車党の人にとってはこの鳥刺し対策の参考になるでしょう。

2005年 竜王戦 安用寺 対 森信


後手の森信雄七段が採用しました。
下の図がその実戦の局面です。

torizasipuro1.jpg
後手は△4二玉~△3二玉~△4二銀と上がりました。
ここから後手は鳥刺し戦法になります。

第1図からの指し手
△5三銀左 ▲3八銀 △6四銀 ▲6六歩 △3一角 ▲6七銀 △7四歩(第2図)
dai2zu74futorizasi.jpg
後手は△5三銀左~△6四銀と繰り出し△3一角と引き角にします。
そう、これは鳥刺し戦法です。
先手の安用寺六段は▲6六歩~▲6七銀と歩越銀には歩で対応します。

第2図からの指し手
▲7八飛 △1四歩 ▲6八角 △1五歩 ▲5八金左 △5二金右 ▲4六歩(第3図)
dai3zu46fupurotori.jpg
先手は攻められそうな筋に振る▲7八飛。
△1四歩に端を手抜きしたのは、恐らく後手の仕掛け自体を防いでしまえば後手の薄い囲いが残ると判断したためでしょう。
後手も第3図から工夫の攻めを見せます。

第3図からの指し手
△7三銀引 ▲8八飛 △7五歩 ▲同銀 △6四銀 ▲7八飛 △7四飛(第4図)
dai475hishatori.jpg
後手の森信雄七段は△7三銀引と引き、▲8八飛を強要してから△7五歩と仕掛けます。
細かい手順ですが非常に参考になります。
以下▲7八飛に△7四飛と歩を取って第4図。
その後はゆっくりとした駒組み合戦に戻り、結果は残念ながら鳥刺しを使った森信雄七段は負けてしまいました。
詳しい内容は上の実戦譜を見てみると良いでしょう。
しかしその指し回しは十分鳥刺し使いの指針になるでしょう。

ゴキゲン中飛車対策に江戸時代から伝わる鳥刺し戦法を復活させてみるのはどうでしょうか。
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