FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

広く高く強い『富士山美濃』

日本一高い山、「富士山」は皆さんご存知。
日本を象徴する山として知られています。
日本といえば富士山、富士山といえば日本。

そして日本といえば将棋。
なんと将棋にも「富士山」を模した囲いがあるのです。

それが「富士山美濃」です
富士山美濃
先手の▲6五歩・▲7六歩・▲5六歩の形が富士山のようで、▲6六角が山のてっぺんに大きく控えている事がその名の由来だと思われます。

この囲いはアマチュアのhirotan氏が考案した囲いで、以前自身で管理されていた「最善手」というサイトの「富士山戦法研究所」で掲載されていました。
hirotan氏自身もこの囲いを使って、有段を維持しているのでその威力はお墨付きです。
現在は閉鎖されてしまい、閲覧する事ができなくなっています。
これほど優秀な囲いが埋もれていくのは残念だと思い、今回紹介する事にしました。

※追記
今年の7月にサイトが復活されていました。

最善手
富士山美濃以外にも独創的な囲いがあり面白いサイトです。


富士山美濃は、対振り飛車穴熊用(参考図)の囲いとして開発されました。
富士山美濃参考図
▲6六角の睨みで将来9筋からの端攻めを狙い、▲6五歩の位を生かして終盤▲6四歩~▲6三歩といった垂れ歩の筋も狙っています。
▲6六角・▲6五歩型の攻撃力と美濃囲いの防御力を併せ持っているため、組み切れれば模様勝ちと言って良いでしょう。

さらにこの囲いは発展性にも優れています。


富士山美濃
富士山美濃
この富士山美濃の形から、▲8六歩~▲8七銀~▲7八金(下図)と発展します。

銀冠富士
銀冠富士囲い
富士山美濃の形から銀冠にする事で、将来飛車を下段に引いてからの▲9八香~▲9九飛の端攻めが狙えるようになります。
9筋の端攻めの反動も少なくなり、玉も堅く攻撃力に富んだ形です。

上の銀冠富士からさらに発展させる事も可能です。

上図の銀冠富士の形から▲7五歩~▲7六銀~▲5五歩~▲5六銀(下図)でミサイル富士の完成です。
ミサイル富士
ミサイル富士囲い
実戦でこの形まで組めたら、大体は作戦勝ちでしょう。
▲7五歩~▲7六銀と構える事で、玉が広くなり、▲6六角の頭も強くなります。
▲5五歩~▲5六銀も角頭を守る大切な銀で、この▲5五歩~▲5六銀は富士山美濃の形でも▲6六角の頭を守るために出動する事があります。(下図)
▲5六銀型富士山美濃
こうなれば先手の角頭の心配もありません。
5筋の位と6筋の位を取って▲5六銀と構える事ができれば、後手の陣形が窮屈で辛い形になっているでしょう。
厚みと堅さと攻撃力を併せ持った恐ろしい囲いです。

▲5六銀型から銀冠富士(下図)に組む事も多々。

▲5六銀型銀冠富士
大体この形になる展開は、相手に指したい手が無くこちらだけ囲いの発展に指したい手がある状況です。

この囲いを指す上のポイントの一つは、右辺(飛車側)を焦土化して、下段飛車に構えての端攻めのようです。
右辺で多少損をしても、左辺の位と囲いの堅さで勝つという感覚。


因みにこの囲いは、渡辺竜王の著書『四間飛車破り 居飛車穴熊編』でも少しだけ登場しています。

P60~P62の2ページだけですが登場しています。(参考図)
渡辺明参考図富士美濃
ただし局面を見てわかる通り、▲6六角を自分から手放して打っている局面なので難しい形勢と本では書かれています。
以下は▲8六歩~▲8七銀~▲7八金と銀冠富士へ発展してからの▲9六歩の9筋逆襲が解説されていました。


hirotan氏の富士山美濃囲いは、自ら角を手放して駒組みする指し方ではなく船囲いから発展して組む囲いです。
下の参考図から具体手順を見てもらいましょう。

富士美濃組み方図
先手は▲5七銀~▲5八金右と持久戦模様の構え。

参考図からの指し手
▲6六歩 △5二金左 ▲6五歩(途中図)

富士山途中図▲6五歩
参考図から▲6六歩~▲6五歩が富士山美濃の出だし。
▲6六歩に△6四歩と受けられた場合は、諦めて別の指し方で対抗するようです。

因みに参考図で▲9六歩 △9四歩の交換が入っている時に△6四歩(仮想図)と突かれた場合には、先手に抵抗する手があります。

仮想図△6四歩富士山
仮想図からの指し手
▲9七角 △6二飛 ▲6五歩(仮想2図)

仮想2図▲6五歩富士山
9筋の端歩の交換がある場合は、▲9七角ののぞきが生じます。
△6二飛に▲6五歩と突くのが5三の地点を狙った嫌らしい手。

お互いの玉の近くで戦いが起こってまだ難しい将棋ですが、後手としては9筋の交換を入れた状態で△6四歩と位取りを拒否するのはこういった変化を覚悟しなければなりません。
ですが振り飛車穴熊を目指す後手はそもそも序盤の▲9六歩に△9四歩と受けない可能性が高いので、この展開にはなりにくいでしょう。
実際は▲9六歩には△5二金左と上がり、▲6六歩に△6四歩(仮想3図)と突き返す形になる展開が考えられます。
仮想3図△6四歩まで富士山
ここから▲9七角には△6三金と上がられ5三の地点に金が利いていて、▲6五歩が通用しません。
ちょっとした9筋の突き合いの有無で、こういった変化があるというお話しでした。
序盤で9筋の交換が入っている時は6筋の位が少し取りやすいと考えて良いでしょう。


話を戻して再掲載途中図。
富士山途中図▲6五歩
後手が△6四歩と受けずに△5二金左と上がったので、先手は▲6五歩と要の位を取ります。
この位が取れれば第一段階はクリアです。

途中図からの指し手
△9二香 ▲6六角 △9一玉 ▲7七桂 △8二銀 ▲8八玉
△7一金 ▲7八銀 △6二金寄 ▲6七金(完成図)

完成図は▲6七金まで富士山美濃
△9二香の振り飛車穴熊の明示には、▲6六角と角が躍り出ます。
富士山美濃のトレードマークの角であり要駒です。
次の▲7七桂は先手の角頭を守る当然の一手。
後手が穴熊をひたすら作っている間に先手も▲8八玉~▲7八銀~▲6七金(完成図)で美濃を完成させます。

こうなれば先手は目標の形である富士山美濃が完成したわけですが、ここから後手は手作りにかなり苦労します。
先手は完成図以下▲9六歩~▲9五歩~▲8六歩~▲8七銀~▲7八金~▲5五歩~▲5六銀とさらに囲いを発展させていけば模様が良くなるのに対し、後手は穴熊が完成した後に争点が無く動くのに苦労する展開です。

完成図から△5四銀は▲5五歩~▲5六銀と手順に盛り上がって先手模様勝ちです。
他に完成図で△3五歩と突くのも▲4六銀 △3四銀 ▲5七角で後手支えきれない。

こうなるとひたすら穴熊に組んだ後手の構想が疑問だった可能性も出てきます。
逆にそこまでの差をつける、富士山美濃の優秀性を物語っています。



富士山美濃の優秀性は、その威力と堅さ以外にももう一つあります。
富士山美濃」という名前。
その特徴と将棋のイメージにピッタリ当てはまっていて、個人的に良いネーミングだと思います。
それだけでも使いたくなる魅力たっぷりの戦法でした。
スポンサーサイト
最新記事
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
カウンター
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。