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B級戦法の達人はA級戦法の達人?

私はB級戦法が好きです。
B級戦法とはプロではあまり指されないマイナー戦法の事です。
ちなみに奇襲戦法は、正しく対応されると不利になるハメ手寄りの戦法の事です。
B級戦法は正しく対応されても互角、そんなに悪くない というのが奇襲戦法との違い。

最近は戦法を一本に絞っていますが、一時期は色々なB級戦法に手を出したりしました。

イロモノの王様 一間飛車戦法端角中飛車
それらが 奇襲大全 という本に載っていて、初心者の頃に見て こんな戦法があるんだなぁと将棋の広がりを感じました。

・奇襲大全


本の名前は『奇襲』大全と 奇襲戦法ばかり扱っているように思われますが、実際の所はマイナーなB級戦法を中心に紹介した本です。
奇襲大全の戦法について、詳しく載っているサイトがあるので紹介します。
興味がある方は、サイトを見て自分に合った戦法を見つけてから 奇襲大全を購入してみる事をオススメします。


●奇襲サイト紹介
将棋異端戦術の研究
ここに一間飛車について書かれています。

端角中飛車は 二次元人空間 というサイトの二次元人の将棋術に詳しく書かれています。
二次元人さんのサイトには、奇襲大全の戦法が詳しく載っています。

他に奇襲戦法で勝つのサイトにも詳しく載っていますで、興味がある方は見てみると良いでしょう。


B級戦法は、メジャー戦法とは違った独特の手が多く 見る度に驚かされます。
上の奇襲大全の中に入っている戦法には、本当に驚かされました。
一間飛車なんて絶対にありえないと当時は思っていましたから。



そんな中に出会ったもう一冊の本がこれ、今回のテーマとなる本です。
『B級戦法の達人』

・B級戦法の達人

この本も上の奇襲大全に劣らない、面白い戦法が沢山載っています。
今回はこの本について語りたいと思います。
この本、実は凄いんです。

当時の初期版(1997年)が出た時のラインナップがこれです。


第1章 対振り飛車のB級戦法
平美濃返し / 右四間端棒銀 / 鳥刺しモドキ / ポンポン桂 / 端美濃囲い

第2章 振り飛車のB級戦法
偽装宗歩四間 / 逆襲!変幻飛車

第3章 相居飛車のB級戦法
矢倉崩し左美濃中飛車 / 難攻不落銀立ち陣 / 最短!ノーガード戦法


今回この本を紹介した理由は、大文字の戦法についてです。
当時はB級戦法と呼ばれていた物で、到底プロでは使われる事はない と思われていたこれらの戦法。
特に平美濃返し と 逆襲!変幻飛車
この戦法はなんと今ではプロで普通に採用されています。

さっそくどんな戦法か紹介していきましょう。


●平美濃返し
対振り飛車用の戦法です。
平美濃返し2
▲7六歩と突かず▲7八銀~▲7九角~▲5七角と角を動かし、▲6八玉~▲7九玉~▲8八玉と 角道を止めた左美濃にするのが先手の狙いです。

当時は狙いも単調で、天守閣美濃や居飛車穴熊がありプロでは見向きもされない戦法でした。
ですが、最近になって事情が変わり この戦法がプロで採用されるようになります。

藤井システムの登場により、天守閣美濃や居飛車穴熊に簡単に組めなくなりました。
そこで現れたのが飯島栄治七段

飯島七段がこの戦法に改良と研究を加え『飯島流引き角戦法』と呼ばれ プロで採用されるようになります。



基本は後手番の戦法ですが、先手引き角戦法も載っています。


今年2009年8月26日に『新・飯島流引き角戦法』も発売され 今現在もホットな戦法です。

上の平美濃返しの図は、そのまま飯島流引き角戦法に載っている同じ図です。
角道を開けないため、藤井システムの角筋を使った怒涛の攻めを根本的に食らわないのです。
当時はB級戦法と呼ばれていましたが、なんとこの戦法をあの羽生善治九段も採用。

朝日オープン 藤井 対 羽生
相手は振り飛車御三家の藤井。

NHK 長沼 対 佐藤康
他に佐藤康光がNHK杯で採用

順位戦 中村亮 対 糸谷
これは割と最近の将棋。
糸谷が採用。



『平美濃返し』『飯島流引き角戦法』の違いは、難しい所ですが 平美濃返しに飯島プロが改良と研究を加え 対四間飛車以外に対ゴキゲン中飛車にも使えるように研究した と思って貰えれば良いでしょう。
居飛車側も玉が堅いので強い攻め合いが可能なのが魅力です。

こうしてB級戦法だった平美濃返しはプロでも採用される戦法になりました。



しかしこれだけでは終わりません。
B級戦法の達人は、後のメジャー戦法を隠し持っていました。



●逆襲!変幻飛車
いかにもB級臭のする名前ですが、どんな戦法か図を見てもらいましょう。
最近の将棋に詳しい方なら一目でピンと来るでしょう。

逆襲!変幻飛車
これが変幻飛車の基本図です。
図から▲8六歩△同歩▲同銀が狙い筋です。
当時は角交換をして手損。
そして何と角交換に弱いはずの振り飛車に構える。
さらに8筋から棒銀で仕掛けるなんて筋悪でB級戦法の代名詞のような戦法でした。

ですが、この戦法どこかで見た事がありませんか?





そう、今流行の角交換振り飛車です。
狙いも指し方も同じで

初手から
▲7六歩 △3四歩
▲2二角成 △同銀
▲8八銀 △3三銀
▲7七銀 △8四歩
▲6八飛(下図)

変幻飛車
後手の△4五角を防ぐための▲6八飛の途中下車も角交換振り飛車と同じです。
この指し方は現在では『角交換振り穴スペシャル』や『角交換振り飛車』などに紹介されています。
どちらも最近の本で、今現在プロの主流戦法の1つになっています。


通称レグスペとも呼ばれています。






藤井猛九段が連採し、独自の新手を加えて今では升田幸三賞を貰うほどの戦法になりました。
今やプロが採用するA級戦法です。


次にプロでの実戦を紹介します。
王位戦 三浦 対 植山
プロでのデビュー局。

順位戦 丸山 対 藤井
藤井猛九段も採用して快勝。今では升田幸三賞を受賞し、完全なメジャー戦法に。

順位戦 村山慈 対 長岡
若手同士の戦い。

王位戦 藤井 対 羽生
ついにタイトル戦で登場した角交換四間飛車。新手筋▲7九金からの向かい飛車で羽生相手に快勝。



プロでは含みを持たせるためにすぐに角交換せずに△4二飛と様子を見る手がほとんどです。
しかし角交換後の狙いは、変幻飛車と同じです。
この戦法がプロで指されるようになった経緯は、居飛車穴熊対策です。

今現在も居飛車穴熊が猛威を振るっている将棋界では、いかに居飛車穴熊を封じるかが振り飛車党の課題です。
そこで早期に角交換をする事で、居飛車の穴熊を根本的に封じます。
振り飛車側は穴熊か美濃の選択肢があります。
駒組みに注意しておけば、振り飛車側は角を打たれる心配はありません。
こうしてプロ棋界で角交換振り飛車は猛威を振るいます。

猛威を振るった結果、逆襲!変幻飛車の進化系が登場。
佐藤流ダイレクト向かい飛車です。

ダイレクト向かい飛車1
初手から
▲7六歩 △3四歩
▲1六歩 △8四歩
▲1五歩 △8五歩
▲2二角成 △同銀
▲8八銀 △3三銀
▲7七銀 △7二銀
▲8八飛!(上図)

変幻飛車では▲6八飛と一旦途中下車していた所を▲8八飛とダイレクトに飛車を振る。
確かに手損せずに▲8八飛と振れれば最高です。
これが佐藤康光九段が出した新手 佐藤流ダイレクト向かい飛車です。
▲1六歩から▲1五歩も欲張った手で、これが本当にプロの将棋かと言われたものです。

しかし図で△4五角が気になりますが・・・。
まずは本家佐藤の実戦から。

順位戦 佐藤康 対 郷田
△4五角には▲3六角が用意の受け。
以下成り合いで大熱戦になります。
負けてしまいましたが、プロでの採用率は高く 今現在最先端の流行戦法です。

詳しい変化は MO magazine~将棋と城のHP~ダイレクト向かい飛車 にありますので参考に。


いくつかプロの実戦譜も置いておきます。
棋王戦 阿部 対 羽生
順位戦 森雞 対 野月
銀河戦 橋本 対 森内
銀河戦 渡辺 対 丸山



ダイレクト向かい飛車については角交換振り飛車応用編に詳しく書いています。



逆襲!変幻飛車から始まった角交換振り飛車はこれからもどんどん指される事でしょう。
これらの戦法は、B級戦法の達人に載っていた1997年時点ではB級戦法だったかもしれません。
しかし今ではプロも採用するメジャー戦法となりました。
当時からこんな凄い戦法を載せていたこの本は凄いなぁと思いました。





ところがこれだけでは終わりません。
上2つほどメジャーでないにせよ、B級戦法の達人は他にもプロで指されている戦法があります。



●端美濃囲い
端に美濃を作る戦法で、玉の堅さが売りです。
まずは図を。

端美濃囲い
▲9八玉型なので藤井システムの攻めを食らいません。
この戦法はなかなか有力で、1999年に田中寅彦九段が本を出しています。



上の2つの戦法ほどメジャーではありませんが、藤井システム対策でプロでもちらほら見かけます。
順位戦 高橋 対 久保
女流 鈴木 対 上田
棋王戦 森内 対 久保
順位戦 淡路 対 石川


本当に稀な登場ですが、これからも指される可能性のある戦法です。



他にもポンポン桂が藤井システム対策として考えられると振り飛車党の杉本昌隆七段が自著で語っています。

ポンポン桂の実戦例はないが、振り飛車党の杉本七段が振り飛車破りの戦法として紹介しているので、振り飛車党としても侮れない戦法ということでしょう。
藤井システムの影響で△7一玉型が増えたので、居飛車側もやれると書いています。




B級戦法の達人に載っていた戦法が今ではメジャー戦法に。
これらの戦法が当時、プロで指されるとはB級戦法の達人を書いた週刊将棋も思っていなかったでしょう。
端美濃囲いやポンポン桂がプロで採用される日もあるかもしれません。
あるいはそれ以外の戦法が・・・。

もしかしたらA級戦法の達人と呼ばれる日が来るのかもしれません・・・。



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